昨日(4月28日)、「世界一わかりやすいconcrete5導入とサイト制作の教科書」 出版記念イベントで、ちょっとお話しさせていただきました。
4月18日にマーケットプレイスで公開された新しいテーマ『Majorca』をご紹介するという内容です。
杉山さんの『concrete5の事例紹介』、松田さんの『concrete5のテーマ化で苦労した点』と違って、あくまでテーマの紹介なので参加していただいた方のお役に立てたかどうかはよくわかりません。
特に今回のテーマは有料なのでデモサイトで動作の確認はできても、実際の編集や設定の確認はテーマを買わないとできないですしね。
まぁ、Majorca に限らず、杉山さんが紹介されていた Pixel 2 などの有料テーマでは、テーマが持っている色々な機能を管理画面から設定できたりすることを知っていただけたかなと思います。
もちろん、すべての有料テーマを確認したわけではありませんので、設定ができないテーマもあるかも知れませんが…
で、いくつか質問があったのですが、私がお答えした質問について…
Q1. さくらインターネットで SSL の設定が難しいと聞いたのですが…
これは、おそらくフォーラムの『常時SSL化について』や『さくらのレンタルサーバーと concrete5 で常時SSLを実装する方法』をご覧になったのだと思います。
結論から言うと、さくらインターネットのコントロールパネルから設定するだけで、問題なく『https』でアクセスできるようになります。
さくらインターネットさんが、サービスを開始した当初は上記のような問題などがありましたが、現在は対策をしていただいたのか問題なく使えるようです。
Stucco のデモサイトは concrete5 5.7、Majorca のデモサイトは concrete5 バージョン8ですが、どちらもさくらインターネットの SSL を利用しています。
質問された方は、無料証明書の Let’s Encrypt を利用したいということでしたが、上記のサイトも Let’s Encrypt です。
コントロールパネルの『無料 SSL の設定へ進む』で設定するだけで、 concrete5 でも問題なく SSL が利用できるはずですが、同じさくらインターネットでも設定や環境が違う場合があるかも知れませんので、実際に SSL の設定をされる場合はご注意くださいね。
ただし、このままでは『http』でアクセスがあった場合は、そのまま『http』で表示してしまいますので『https』へのリダイレクトの設定が必要です。
設定方法は、コントロールパネルの『WordPress以外で作成されたサイトをご利用のお客さま』に記載しています。
concrete5 で、プリティ URL の設定をしている場合、すでに htaccess ファイルができているはずなので、『WordPress以外で作成されたサイトをご利用のお客さま』を参考に適宜書き換えてください。
ちなみに、Majorca のデモサイトの htaccess ファイルは、
SetEnvIf REDIRECT_HTTPS (.*) HTTPS=$1 # -- concrete5 urls start --RewriteEngine On RewriteBase / RewriteCond %{ENV:HTTPS} !on RewriteRule .* https://%{HTTP_HOST}%{REQUEST_URI} [R=301,L] RewriteCond %{REQUEST_FILENAME} !-f RewriteCond %{REQUEST_FILENAME}/index.html !-f RewriteCond %{REQUEST_FILENAME}/index.php !-f RewriteRule . index.php [L] # -- concrete5 urls end --
です。
もし、うまくいかなかった場合は、フォーラムに投稿してください。
すでに concrete5 を使って構築しているサイトで SSL に切り替えた場合、もし画像を表示しないことがあればお約束の『キャッシュのクリア』を実行してくださいね。
Q2. マーケットプレイスにテーマを申請するのは難しいですか?
会場では、「英語でのやり取りになるので、ある程度は英語のスキルが必要。テーマファイルに関してはコーディングガイドラインに則してコーディングをしなければならない。その点に気をつけていれば敷居はそれほど高くない。」と、お伝えしました。
ただ、人によってスキルが違いますので、一概に『敷居が低い』とは言えない知れませんけど、思っているより難しくないのは確かです。
テーマを申請したときの個人的な感想ですが、ドキュメントをしっかりと作ることが重要だと思います。
マーケットプレイスでテーマの特徴や内容を伝えるためにもドキュメントは大事なのですが、PRB (The Peer Review Board) member(テーマを審査する方々)にとってもどのようなテーマなのかを判断する上で重要です。
テーマの申請には、まず Automatic Tests というその名の通りアップロードしたファイルに対して自動でチェッックが入ります。
エラーがあれば、修正して再アップロードしなければいけません。
すべてクリアになれば、そのあとに人の手によってコーディング等をチェックしていくわけですが、PRB member はまずドキュメントを見てテーマの概要などを確認するのではないかと思っております。
その後、各ファイルのコーディング等のチェックをするのではないかと…
なので、ドキュメントをしっかりと作っておけば、あとのやり取りもスムーズにできるような気がします。
まぁ、あくまで個人的な経験上の感想なのですが、ユーザーや PRB member にテーマを知っていただく上でも、詳細なドキュメントを作ることをお勧めします。
もちろん、英語ですけどね…
あと、サンプルコンテンツをインストールできるようにするには、『content.xml』というファイルが必要です。
xml ファイルは、『Migration Tool』というアドオンを使えば書き出せるのですが、これがなかなかくせ者ですんなりとはいかない。
現在のバージョンだと concrete5 バージョン8.3.1以降じゃないと使えないみたいなので、ちょっと前のバージョンを使っていました。
新しいバージョンでもちょっとだけ書き出して比べてみたのですけど、気になる箇所は変わっていませんでしたので、おそらく新しいバージョンでも最終的には『Migration Tool』で書き出したファイルを手作業で修正する必要があると思います。
これに関して記事を書くと結構大変なので、もし『Migration Tool』を使ってみてうまくいかないときはコメントしてください。
わかる範囲でお答えします。
解説動画がアップされていますので、使い方はそちらをご覧ください。
Migration Tools ベータ版解説 – 週刊 concrete5 Vol.295
最後にテーマ申請の参考になるページを書いておきますので、一度読んでみてください。
こちらも英語ですけど :-)
- Submit to Marketplace
まずはこのページを読んでください。ページの下の方に書いてある Submit your work! が申請ページへのリンクです。 - SimpleSite Theming Guidelines
テーマを作る上でのガイドラインです。 - Coding Style Guidelines
タイトル通り、コーディングについてのガイドラインです。 - concrete5 Coding Guideline (5.7.x and later)
Katz さんが翻訳してくれた日本語のページがありますので、そちらを見た方がわかりやすいかも。 - Deprecated Code Reference (ongoing)
非推奨のコードリファレンス。
テーマやカスタムテンプレートを作る場合にコアのファイルをベースにすることが多いと思いますが、コアのファイルには [php gutter=”false”]<?=$c->hogehogeClass()?>[/php] のような php のショートタグでの記述や [php gutter=”false” htmlscript=”false”]Loader::helper()[/php] のように非推奨の記述がありますので、マーケットプレイスに申請する場合はご注意ください。
php のショートタグについては、Submit to Marketplace に [php gutter=”false” htmlscript=”false”]Use long tags: ‘<?php’ not short tags: ‘<?’. Not every server setup supports the short ones.[/php] と書いてあります。
非推奨タグに関しては、Deprecated Code Reference (ongoing) を確認してください。
コアのファイルに記述してあってもマーケットプレイスの審査では指摘されると思います。
まぁ、マーケットプレイスに申請しないのであればそのままでもいいのでしょうが、できれば日頃から非推奨の記述は使わないようにした方がいいかも知れませんね。
この記事を読んで、少しでも『マーケットプレイスにテーマを申請してみようかな』と思っていただければウレシイ 🙂